アバロンの日常(?)

他に曲はないのかね? 次の曲があるぞ!!  もういいですぅ

!!注意!! この項の内容はフィクションであり、
実際のゲームではこのような事態は絶対に起きません。

 

第1話 留守番の日常

帝国歴20××年・・・今、ここバレンヌ帝国首都アバロンにかつてない危機が訪れようとしていた・・・。
ここはアバロンの町の酒場。まだ日も高くここが賑わうにはまだはやい時間だが・・・
そんな昼下がりの酒場のカウンターで酒を豪快に飲んでいる一人の男がいた。
白いマントに逆立てた頭髪。首からはど派手な装飾品を下げている・・・。
帝国に仕えるフリーファイター、ヘクターだ。

「あ〜。暇だ暇だ。陛下は地方へ遠征に行っちまったし、アバロンの町の守りなんて、あ〜〜あ〜〜〜・・・。」
「ヘクター・・・あのね、いくら暇だからって、昼間から酒場に入り浸ってんじゃないわよ。真面目に仕事したら?」
ヘクターが目をやるとそこには同僚のアンドロマケーが居た。

「うるせえなあ・・。だいたい俺もただここで酒飲んでるんじゃないんだぜ?」
「・・・どう言うこと?」
「酒場っていやあ人が大勢集まる所だ。人が大勢いるって事は情報が集まったり、
 はたまた、もめ事があったりするって事だ。ケンカとかな。
 俺はここで陛下のお役に立てるような情報を集めたり、帝国兵として町人の悩みを聞いてやったり、
 色々してるんだ。それに、町にモンスターが入ってきたりしたら一番に撃退に迎えるだろうが。」
「へえ・・・あなたも結構考えてるのね・・。」
ヘクターの少々強引とも言える説明に納得するアンドロマケー。だがそこに・・。

「ヘクター・・、俺には酒を飲む為のていの良い口実としか聞こえんが?」
「げっ・・!ジェイムズ!!」
ヘクターの考えをあっさりと見破ったその男・・帝国軽装歩兵のジェイムズだ。

 このジェイムズという男とヘクター・・実は非常に仲が悪い。
熱い性格でありアバウトなヘクターと方やクールで真面目なジェイムズ。
これだけでも性格的に合いそうにないのに2人とも大剣使いであるから始末が悪い。
一度城内で「真の大剣使いは俺だ!」と言うことになって大喧嘩したことがある。
しかも真剣で。無論、その後皇帝にひどく叱られたのだが・・・。

「んだよ・・そんなこと言っておめえもサボりに来たんじゃねえのか?あ?」
「フン・・。私は今休憩時間だ。お前と一緒にするな、サボり男。」
「なんだとてめー!やるってのか!」
「お前がそう望むのならいつでも敗者の屈辱を味あわせてやろう。」
今にも剣をぬかんとする2人。ここで可愛そうなのは酒場のマスターだ。
店が壊されるんじゃないかと気が気でない。

 その時大柄な男が酒場のドアを開けた。
「お〜!またやってるな!アンドロマケー、今度の原因は何だぁ!?」
「あっ、ベア!ちょっとあんたあの2人止めてよ。」
「ベアさん、私からもお願い。このままじゃマスターが可愛そうよ。」
「あっ、テレーズも休憩なの?」

第2話 クジンシーの復活

帝国重装歩兵のベアと帝国猟兵のテレーズだ。
「ヘクター、ジェイムズ、もうやめろって。」
「あん?ベア、うるせーぞあっちいってろ。」
「そうだベア、これはこの男と私の問題。干渉しないでもらいたい。」
「はっはっはっ!2人揃って『ほうっておけ』か、なんだお前ら気が合うんじゃねえか。」
「なにいってやがる!誰がこいつと!」
「それはこっちのセリフだ!」
「フンX2!」

 ベアの仲裁が上手くいったのか、ヘクターは元のカウンターの席に戻り、
ジェイムズはと言うとわざわざカウンターから一番遠いテーブルに腰を下ろした。
これは明らかに互いに対する当てつけである。

「ほんとこいつら毎日毎日飽きないと思わない?テレーズ。」
「そうね、でもいざとなったら私の影ぬいで・・・フフフ・・。」
「いや、それはダメでしょ。」
そんな他愛もない話をしてベアとアンドロマケーはカウンターに、
テレーズはジェイムズのいるテーブルに腰を下ろし、しばしの休息をとった。

 その頃アバロンの東、封印の地の地下では・・・。
「ククク・・・あのジェラールとか言うパジャマ小僧にやられてから約千年・・・。
 肉体もほぼ再生し、力もみなぎってきた・・!!
 そう、このクジンシー様が復活するときがついに来たのだ!!ハァーハァハァハァッ!!
 まずは手始めに、あの憎きアバロンの町を滅ぼしてやるか!!!」
なんと!あのクジンシーが今まさに復活しようとしているのだ!!
のんきに酒なんか飲んでる場合じゃないぞヘクター!

「ふあ〜〜、いやー、今日も働いた働いた。仕事終わりっと。」
「アンタは酒、のんでただけでしょうが。」
「う゛っ・・・。」
アンドロマケーの鋭いツッコミにたじろぐヘクターと無言で「ウン、ウン。」とうなずく3人。その時突然!!


ドッゴーーーーーーーーン!!!

「な、なんだ!?」
「城壁の崩れる音だ!行くぞヘクター!!」
「命令するんじゃねーよ!」
いち早く駆け出したジェイムズに続きヘクター、ベア、テレーズ、そしてアンドロマケーが
町の入り口へと走っていった!

「こ・・こいつは!!」
「アンデッドモンスターの群だ!!」
5人は見渡す限り一面に大量のアンデッドモンスター達がうごめいていているのを目の当たりにしたのだった!
そしてその中にひときわ大きなモンスターの影が・・!!

「ハッハッハッ・・!!アバロンを頂きにに来たぞ!!」

第3話 大苦戦

「お、お前はまさかあの第2代目皇帝ジェラール様が討伐したというクジンシー!?」
「ほう・・1000年経っても私のことが伝わっているとは・・・。最近は兵士の教育が行き届いているようだな。」
「ご、ご先祖様がジェラール様と共に討伐したと言う七英雄クジンシー・・・。まさか復活したとは・・・。」
思わぬ敵の登場に沈着冷静なジェイムズも同様を隠しきれないでいた。

「チッ!まさか陛下の居ないときにこんな事になるなんて!!」
「ほう・・皇帝は居ないのか!ならば今こそアバロンを乗っ取るチャンス!!
 皇帝の居ない帝国など敵ではないわ!!」
「バカヘクター!!陛下が居ないこと何ばらしてんのよ!」
「あっ・・。」
「とにかく!陛下の居ない今、我々でアバロンの町を守るんだ!!」
「そうです!私達でこいつらを何とかしましょう!!」

 ベア、テレーズの声を合図に双方は一斉に動き出した!!
「おらあぁ!清流剣!!」
「くらえ!水鳥剣!!」
モンスター・ヘルビーストに2人の大剣使いの技が炸裂する!!しかし・・!

「ば、バカな・・・効いてねえ!?」
「モンスターの力が我々を上回っているというのか!?」
唖然とする2人にヘルビーストのキックが襲いかかる!

「2人とも、危ないっ!!・・ドゴッ!・・ぐわああぁ!」
防御を得意とする帝国重装歩兵ベア。しかしモンスターの攻撃はそれをもろともせずベアの巨体を吹き飛ばす!

「ベア!しっかりしなよ!!くそっ・・真空斬り!!」
「ビーストスレイヤー!!」
アンドロマケーの、そしてテレーズの技がモンスターに襲いかかる!
しかしモンスターは紙一重でそれをかわし、当たらない!!
「そ、そんな・・私の太刀が見切られるなんて・・!」

「ハッハッハッ・・!そんな攻撃ではこのモンスター達は倒せんよ!ではそろそろ終わりにするか!」
そう言うとクジンシーは口から強力な冷気を吐き出した!
並のモンスターのそれとは比べ物にならないほど強力な物だ。

「ぐわああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「クククク・・・これでアバロンは私の物だ!!ハッハッハッハッハ!!」
「くそう・・。」
薄れゆく意識の中、ヘクターが耳にしたのは、仲間達の苦痛の叫びと醜悪なモンスターの歓喜の声だった・・・。

・・・・・・・・・・・それから数時間後・・・。
「気が疲れましたか?ヘクターさん。」

第4話 起死回生

一人の兵士の声でヘクターは目覚めた。
「ううっ・・ここは・・・?」
「アバロン城内の医務室です。」
「うう・・頭が痛い・・・!!クジンシーは!?みんなはどうなった!?」
「あたし達なら無事よ。」
ヘクターの耳が聞き覚えのある女性の声をとらえた。
「アンドロマケー・・それにジェイムズ、ベア、テレーズも・・よかった・・。みんな無事だったんだな。」

 ジェイムズ達の話によるとヘクター達が倒れた後、術研究所の術士達が総出で
天地の合成術”光の壁”による結界を貼り、モンスターの進行を止めているというのだ。
無論、ヘクター達以外の帝国兵達も戦ったのだが強力なモンスター達には太刀打ち出来なかったと言うのだ。

「術の結界は長く持ちそうにねえな・・・そうだ!陛下はどうしてるんだ!?」
「それなのですが・・。」
ヘクターの疑問に先ほどの兵士が答えた。

「伝達員の話によるとサラマットにてそのお姿を確認できたのですが・・・
 何を言っても『女王様〜〜〜(はぁと)』の一言で、とてもこの状況を打破できそうにないと・・・。」
「陛下ぁ〜〜〜!!。」
ベアは天に叫んだ。
「とにかく俺達で何とかしないと・・・くそっ!どうすればいいんだ!!」
「私にお任せ下さい!!」

 その時一人の老人が室内に入ってきた。ソーモンの(自称)天才発明家、ヒラガだ。
「ヒラガのジジイ・・・なにか手があるのか!?」
そう言われるとヒラガはポケットから腕輪の様な物を取り出しこう言った。

「これは、古代人の技術と私の頭脳が生み出した究極の魔法道具、その名も”タンメルブレスレット”と申します!
 これはあるコマンドワードを発する事により空気中の魔力を収束し、超タンメル空間を生成。
 それによる重力場の力を生体エネルギーに転換。装備者のパワーを大きく増幅させるのです!
 また、それには100ワードの・・・。」
「あ〜・・つまりソレを使えば俺達がパワーアップするって事か?」
「ま、かなり目に簡単にいうとそうですな。どうします?お使いになりますか?」

 ヘクターは迷う様子もなく次の言葉を発した。
「アバロンを・・この国を救うためなら・・おれはやるぜ!なあみんな!!」
「ヘクターに出来て私に出来ないことはない・・。やるとするか・・!」
「このベアを忘れてもらっちゃ困るぜ!」
「人数分あるんでしょ?それ。もちろんアタシもやるわ!」
「ヒラガさんの発明品っていうのが心配ですけど・・・私にもやらせて下さい!」
ヘクター達5人はタンメルブレスレットを受け取り、説明を受けた。

 そのころ城門では・・・

第5話 変身の法(?)

「くうう・・・術力が・・・もうだめ・・。」
「エメラルド!頑張れ!」
宮廷魔術士のエメラルドとアリエスだ。
互いに励まし合って来たがエメラルドの術力は底を尽き、それを励ますアリエスも疲労を隠しきれない様子だ。

「ククク・・こんな結界でいつまでも我々を止められる物か!行け!モンスターども!」
「ギャエエエエ!!」

ドゴーーン!!

 けたたましい轟音と共に、ついに光の壁の結界がモンスターにうち破られた!!
「くっ・・・ここまでか・・!」
アリエス達アバロンの術士達が諦めようとしていたその時!!
「待て!これ以上先には行かせないぜ、クジンシー!!」
「お、おまえたちは!!」

 クジンシーの瞳に写った物、それはアバロン城のベランダにたたずむ、ヘクター達5人の戦士達だった!!
「フン・・誰かと思えば・・またやられたいのか!!」
「さっきまでの俺達とは違うぜ!いくぜ、みんな!!」
「ほ、本当にあれをやるのか・・!?」
「ジェイムズ!何言ってやがる!やるしかねえんだ!みんなもいいな!せーのっ!!」

ヘクターの合図を元に、5人は声を合わせて叫んだ!!
『魔力収束!全開!!超・タンメルパワー!!!ロマンシングチェーーーーンジ!!!』
五人がコマンドワードを叫ぶと辺りは閃光につつまれた!!
「う、うをっ眩しい!な、なんだーー!?」
(チャ〜〜チャララチャチャ〜チャッチャッチャッ♪)
(↑個人的にこのBGMはロマンシング サ・ガ 3 ORIGINAL SOUND VERSIONより
 「怪傑ロビンのテーマ 〜この世に悪はさかえない!〜」を希望 by 乱兄)

「ヘクターーーレッーーーーード!!(ビシイッ!!!)」
「ジェイムズ、ブルーーーーー!!(シュタッ!!!)」
「ベアイエローーーーーー!!(ババンッ!!!)」
「アンドロマケーーーーホワイトッ!!(シャキィン!!!)」
「テレーズピンク!!(シュバッ!!!)」
『五人揃って、ヴァレンヌ戦隊アヴァレンジャー!!!!(ドカーーーーン!!)』
なんとそこには色とりどりのポリマースーツに身を包んだ5人の戦士がいた!!

「な、なんだーー!??貴様らーーー!!!」

「感じるぜ・・・体中にみなぎる超タンメルパワーを!!」
「俺達はお前を倒すため、アヴァレンジャーとして生まれ変わったんだ!!」

「な、なにを〜〜!!くそ〜っ!いけっ!モンスターども!!」
「ギーーー!!」
「ギャエーーー!!」
クジンシーのかけ声と共にモンスター達がヘクターレッド達に襲いかかる!!

第6話 反撃!?

「いくぜみんな!とうっ!」
ヘクターレッド達は人間の跳躍力を遙かに越えるジャンプ力でベランダから
モンスターのいる城門前に飛び降りた!眼前にモンスターの群が迫る!!

「よぉぉぉしっ!ジェイムズ!いくぜ!」
「フッ・・・ジェイムズではない!ジェイムズブルーだ!!」
「「はあぁぁぁ!!W無明剣!!」」
「ギャヒィィーーー!!」
大剣技、最強の奥義である無明剣が通常の2倍、いや3倍、4倍の威力を持ってモンスターを粉砕する!!

「く、くそーー!!あっちの方の奴らを先に殺せえぇぇぇ!!」
モンスター達はクジンシーの支持を受けると、ベアイエロー達の方へ突進した!!

「フン!さきほどの借りを返してもらうとするか!」
ベアイエローはモンスターの前に立ちはだかり突進を受け止めた!
モンスターの大角が体に深々と突き刺さった!・・・様に見えたが!!
「何のこれしき!痛くもかゆくもないわ!お返しだ!不動剣!」
「アタシも一発やらせてもらうよ!光速剣!!ハアッ!!」
「ギャフウウウウ!!」
静と動、二つの最強の剣技がモンスターに炸裂した!!

「どう!?この太刀は見切れなかったでしょう!?」
「さあ、雑魚モンスターごとき、早々に始末しましょう!」
テレーズピンクはそう言うと天に向かって矢を放った!
「スターライトアロー!!」
天から降り注ぐ流星群がモンスター達の体を貫通、いや”粉砕”する!!

「ば、バカな!あれだけいたモンスター共が・・・ぜ、全滅ゥゥゥゥゥ!!!?」
「さあ!後はお前だけだぜクジンシー!いくぜみんな!ロマンシングフォーメーショーーン!!」
5人は必殺の陣形を取った!
『必殺!活殺!!ファイナルロマサガーーーーアターーーック!!!!』

「ぐぎゃあああああああ!!!!!」
必殺の、活殺の一撃がクジンシーの胴体を貫いた!!

「やったぜ!俺達の勝利だ!!」
勝利を確信し、5人がくるくるキックのポーズを取っていたその時!!
「まだだ!まだおわらん!!この地に眠る全てのモンスターの魂よ!我に力を!!」
クジンシーはかつて皇帝とその仲間達に倒されたモンスター達の悪しき魂を集結、体内に取り込み・・・
巨大化した!!!

「な、なにぃ!!」
体長はアバロンの城・・いやそれ以上はあるだろうか。超巨大化したクジンシーに対し、
ヘクターレッドは驚きと、そして恐怖の入り交じった声を挙げた!!
「グハハハハハハハハ・・・踏みつぶしてくれるわ!!」

第7話 キングコッペリア発進!!

「く、くそ・・どうすりゃいいんだよ!!」
恐怖と絶望を感じるヘクターレッド、その時タンメルブレスレットが鳴り響いた!

「ジジッ・・ヘクターレッド君、聞こえるかね?」
「あっ!ヒラガのジジイ!大変なことになっちまった!!」
「ジジッ・・・状況は分かっている!いまからそちらに君たちの力になるモノを届けよう!!」
「おい!力になる物ってなんだ・・・くそっ、切りやがった・・!!」

「フフフ・・ついに我がヒラガ家最高の発明品が日の目を浴びることになるとは・・。ようし!緊急スクランブル!
 巨大ロボ”キングコッペリア”発・・・進!!」
(チャチャチャ〜〜〜〜チャラチャラチャラッチャ〜〜〜♪)
(↑ここのBGMは個人的にロマンシング サ・ガ 3 ORIGINAL SOUND VERSIONより
 「バンガード発進!」を希望 by 乱兄)

ウイ〜〜〜〜ン・・・・
「ハッチ開放!」
ヒラガがボタンを操作するとソーモンの屋敷が二つに割れ、地下から巨大なロボットがせり上がってきた!!
そう、ヒラガは密かにソーモンの屋敷を改造していたのだ!(無許可)
「ガガガガ・・キングコッペリア・・スタンバイオーケー・・カウントダウンカイシ
 ・・・3・・・2・・・1・・・・ハッシン!!」
キングコッペリアは大地にその第一歩を踏み出した!

ズシーーーン・・・ズシーーーン・・ズシーーーン・・・・

「頑張ってくるのじゃぞ〜〜〜!!」
ヒラガはアバロンに向かって前進するキングコッペリアにエールを送った・・・。
(キングコッペリアの歌募集。)

「ふははは・・!!逃げられんぞ!!!」


ドゴーーーン!!

「うわっ!」
アバロンの町では依然アヴァレンジャーと巨大クジンシーの攻防が続いていた!!
「くそう!このままじゃやられちまうぜ!!」
ヘクターレッドがそう叫んだとき!!」

「オメエラ マタセタナ。」
「な・・なによあれ!?」
アンドロマケーホワイトの疑問に答えるがごとく、キングコッペリアの電子的な声が帰ってきた。

「オレサマハ セカイサイキョウノ スーパーロボ キングコッペリアサマダ。
 オマエタチニオレサマヲ、ソウジュウ、サセテヤルカラ、アリガタクオモエ。」

 少々高圧的な態度をとりながら(自称)世界最強の巨大ロボ、キングコッペリアは五人を
自らのコックピットへと搭乗させた。
「ヨウシイクゼ!オメエラ シッカリ オレサマヲ ソウジュウシロヨ。」
「こりゃいいぜ!ようしキングコッペリア、戦闘開始だぁ!!」

第8話 世紀の大決闘

「お、おのれ!!次から次へと妙な物をこしらえおって!!」
「うるせーー!!お前が復活したりするのが悪いんじゃねえか!!
 ・・・おい、キンコペ!どうやって戦うか教えろ!」
「リャクスンジャネーヨ!!・・イイカ オレサマニハ 7ツノヒミツノキノウガツイテイル!
 パネルノボタンデ ウマク キノウヲ ツカイワケルンダ!!」
「ボタンってこれかあ!?よーーしスイッチオン!!」

 ヘクターレッドがボタンを押すとキングコッペリアの両眼からレーザービームが発射された!
そう!七つの機能の一つ、コッペリア・アイ・ビームだ!!
ドゴン!ドゴン!ビームはクジンシーに命中した!
「ひいい!な、なんだーー!!」

「よし!次は私だ!!」
ジェイムズブルーの押したボタンの機能は・・・・コッペリア・Wロケットパンチだ!!
シュゴシュゴー!!ロケットパンチは弧を描きクジンシーに襲いかかる!
「ひい〜〜!!いまどきロケットパンチなんて〜〜!!フゴッ!!」

「ようし次の機能だ!ポチッ・・!!」
キングコッペリアは走り出し、間合いを見計らいジャンプ!!
そして両足を揃えそのまま体勢を横にしクジンシーに強力なキックを食らわせた!
ベアイエローの使った機能はコッペリア・トウシューズ・ドロップキックだ!!
「ふごおお!!み、みぞおちに・・・!!」
本物のトウシューズと同じく、キングコッペリアのシューズの先もとても硬く作られているのだ!
ハルモニアが使われたシューズのキック・・・これは痛い!!

「アタシのヤツは何かしら!?」
コッペリア・ミラクルボイス!!キングコッペリアの歌声が鳴り響く!!
「ア゛〜〜バロン、ア゛〜バロン、ヴル゛ワ゛シノ゛〜〜〜♪」
「ぎゃああ〜〜!!脳に!傷にひびく〜〜〜!!」
超振動攻撃がクジンシーを襲う!!
「ちょっと!私達まで・・耳鳴りが〜〜!!」
アンドロマケーホワイトはこの機能を作動させたことを後悔した。

「ようし!次の機能を作動させるわ!」
テレーズピンクがボタンを押すと、キングコッペリアの巨大プリマチュチュの裾からカッターが飛び出した!!
キングコッペリアは体を回転させクジンシーに向かってまっすぐ突き進む!!
必殺の機能、コッペリア・ダンシング・カッターだ!!(ってゆーかこれはもう必殺技)
「ぐぎゃああああああああああ!!!!!!!」
全身をカッターによって切り刻まれたクジンシーは悲痛の叫びをあげた!!

「く、くそうこのままでは・・一時退却だ!!」
クジンシーは魔力によって体を飛行させ空に逃げ出した!!
「あっ!待ちやがれーーー!!」

第9話 天空の戦場へ

「畜生!空に逃げられちゃ手も足も出ないぜ!」
「アキラメルンジャネーヨ!ヘクターレッド 6ツメノキノウダ!」
「6つ目・・・このボタンか!それっ!」

 ヘクターレッドが作動させた6つ目の機能、それは!!
「キングコッペリア トランスフォーム!!」

ガシン・・・シャキン・・・ウィーーーン・・・ガチィ!!
「カンゼンヘンケイ!!ジンリキカゼオコシ(Lサイズ)!!」

「おおっ!すげえ!」
「アッタリメーダ!オレサマヲ ダレダトオモッテルンダ?
 サアイクゼ!イザ テンクウノ センジョウニ!!」
ゴォーーーーーーーーーーー!!

「ひい・・・ひい・・・。ふう・・・まさか空までは追って来まい。
 しかしこの俺様がこれほど痛めつけられるなんて・・・力を蓄えたら次こそアバロンを・・・。」
クジンシーが重傷を負いながら飛行していると、聞き覚えのある声が後方より聞こえてきた!!
「待っちやがれーーーーー!!!」
「ひいい!!あいつらここまで・・・ん?何であいつらコックピットで自転車こいでるんだ? 」

「ぜえ・・・はあ・・・たくっ!なんで俺達が自転車こがなきゃ行けねーーんだ!?」
「ジンリキッテ イッテンジャネエカ!ホレホレ ハヤクシナイト ニゲラレルゼ?」
「くそおおお!!おりゃあああ!!キコキコキコ・・!!」
「くう・・ヘクターレッド・・私はもうダメだ・・・」
「ジェイムズブルー!!何言ってんだ!がんばれーー!」
「ヘクターレッド・・後は任せた・・・。」
「ベアイエロー!!お前もかーー!!」
「アタシももうダメ・・・体力の限界・・・。」
「アンドロマケーホワイト!!待ってくれよ〜〜!!」
「アバロンを・・・お願いします・・。」
「テレーズピンク!!みんな頑張ってくれ〜〜!!」

 説明しよう。
人力風起こし(Lサイズ)の飛行には搭乗者自らが発電し、モーターに電力を送る必要がある。
しかし発電(自転車こぎ)には多量の体力を必要とするのだ!!
そのため、今までに溜まった疲労がアヴァレンジャーのメンバーを襲い始めたのである!!

「ん・・?奴らのスピードが落ち始めた・・・?しめたっ!今の内に逃げるとするか!!」
「うおおおおお!!ま〜〜てえ〜〜〜〜!!キコキコキコキコ・・・!!」
一人自転車をこぎ続けるヘクターレッドの努力もむなしく、クジンシーとの距離は見る見るうちに放れて行く!!
そしてさらなる不運がヘクターレッドを襲った!!

ブチィィィィン!!
「なっ!自転車のチェーンが・・・切れたぁ!!!?」

第10話 戦いの果て

本来5台の発電器(自転車)によって運動する人力風起こしのモーター。
しかしそれを1台の発電によって起動させていたため、ヘクターレッドの自転車に5倍の荷重がかかり、
チェーンの破断に至ってしまったのだ!
動力源を失ったモーターは少しづつ、その動きを止めてゆく・・・。

「なんてこった!クジンシーを目の前にして・・・ここまでなのかよ!!」
「ヘクターレッド・・・。」
キングコッペリアは絶望し、叫ぶヘクターレッドにかける言葉が見つからず、
ただその名を呼ぶことしかできなかった・・。

「ちくしょう!陛下に、皇帝陛下にアバロンを守るよう言われていたのに・・!
 俺はこのまま何もできないのかよ!!?」
「ヘクターレッド・・。」
「俺は・・アバロンを守るためなら命だってかけることができるのに!」
「ヘクターレッド・・。」
「そうだ!俺は・・俺は・・陛下とアバロンの為なら死ねる!!」
「ヘクターレッド!!」
キングコッペリアは叫んだ。

「何だよ・・キンコペ・・。」
「ヘクターレッド・・イマノセリフ・・オレサマノ ハートニ ジーント キタゼ!」
「キンコペ・・・。」
「ヘクターレッド!アキラメルノハ マダハヤイゼ!7ツメノキノウヲ ツカウンダ!」
「いまさらそんなの・・。」
「クジンシーノ ヤローヲタオスニハコレシカネエ!イイカラ オレサマヲシンジロ!」
「キンコペ・・!!分かったぜ!7つ目の機能、作動だ!スイッチ・・オン!!」
最後のスイッチ・・それはコッペリア・ファイナル・ストライクの機能だった!!

「コノキノウ・・デキレバ ツカイタクナクッタゼ・・。デモイクゼ!”ジバク”ダ!」
「じ、自爆だとぉ!ま、待て!俺達を降ろしてからにしろーーーっ!!」
「スマネエ ヘクターレッド・・。オレサマニハ 7ツノキノウイガイハツイテネエンダ・・・。
 ダシュツキノウハ ネエンダヨ・・・。」
「ちょっと待てーーーぃ!!」
「アバロンノタメナラ イノチカケル・・。ソノコトバ・・グットキタゼ!!」
「まて〜〜〜!!ちょっと待って〜〜〜!!うわ〜〜!!」

ドッカ〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!
・・・バレンヌの上空に巨大な花火が上がった・・・。

「な、なんで〜〜?俺だけが二度も〜〜〜??また長い間眠らねばならんのか〜〜??」
クジンシーは再び眠りについた・・・。

第11話 エピローグ

あれから数日後・・・

「いって〜〜〜〜!!もっと優しくしてくれよぉ!アリエスゥ!」
「なに言ってるんですか、がまんしてください。えいっ!生命の水!!」
あの後、俺達は奇跡的にもルドン高原にて身柄を確保された。
もうちょっと発見が遅かったらヴリトラの餌食になるとこだったらしい。
謀殺される皇帝の心境とはああいう物なのか・・。
とりあえず俺達5人は皆、5体満足でバレンヌに戻ることが出来た。

「もう二度とあんな目には会いたくないぜ。」
俺がそう思って一眠りしようと思ったとき、聞きたくない声の主が療養中の俺を訪ねてきた。

「おおっ!ヘクター君、ここにおったか。」
「ヒラガのジジイ!!てめえよくも・・!!」
「そういうでない、今日は良い知らせを持ってきたんじゃ。」
「あ〜〜〜!?」
「新たな発明品が完成したのじゃ!その名も”タンメルブレスレットV”
 前回のものよりもさらに強力になったのじゃ!そこで君に試してもらおうと・・・。」
「いらん・・・!!」
「そうか?ではキングコッペリア2号機の試運転を・・。」
「断る・・・!!」
「今度はなんと地上戦艦形態に変形・・・。」
「帰りやがれてめえ!!」
「そうじゃ!アヴァレンジャーの皆に専用のバイクを作ってやったぞ!
 もちろん、君のは赤色じゃ!どうじゃ?のってみたいじゃろ!ん?ん?」
「もう我慢できねえ!ぶっ殺してやる!うおらぁぁぁ!!一刀両断!!」
「ひ、ひい〜〜〜!!十分元気ではないか〜〜〜!!」
「まちやがれ〜〜〜!!ぶった斬ってやる〜〜〜!!」

 みごとクジンシーを撃退したヴァレンヌ戦隊アヴァレンジャー!!
しかし次なる恐怖がすぐそこまで迫っていることを彼らは知らない!!
戦え!アヴァレンジャー!!負けるな!!!アヴァレンジャー!!!!
彼らの明日はどっちだ!!?
                  つづく!!・・・・わけない。

このページのトップへ