古代人の謎

読者の方々の見解 別の曲を頼むよ もう帰る

!!注意!! この項の内容は、ネタバレ的記述を多量に含みます。

 

今に残る古代文明の欠片、そして・・・
 七英雄が帰ってきた時代、即ちバレンヌ帝国の時代において、旧時代の遺跡と呼ばれる建造物は多数存在する。
大陸南方に位置する氷、砂、雪の各遺跡、テレルテバの4基の塔、エイルネップの塔および神殿、沈んだ塔などがそれである。

これらのうち幾つかには、帝国時代の人間の技術力では想像もつかないような仕掛けが施されている。
それを最も端的に物語るのは、エイルネップ神殿の謎の映写装置であるが、
同神殿の守護者である石像、沈んだ塔の圧力感知式の自動足場、雪の遺跡の果てしない回廊など、枚挙に暇がない。

これらはいったい何を意味するのか?
その意味が明らかにされるのは、やがてこれらの遺跡を築き上げた者たちと対面するときになるのだが・・・

七英雄の中でもとりわけ、ノエル・ロックブーケ兄妹の動向は、これらの遺跡と密接なつながりを持つようである。
他の連中は、リーダー格であるはずのワグナスでさえもが、めいめい手下を使って、ここぞと目をつけた地域に己が覇権を確立しようと躍起になっているのであるが。

七英雄は何のために遺跡に固執するのか?・・・皇帝ならずとも気にせずにはいられないところである。

古代の民と七英雄
 ヤウダからチカパ山を越えたその向こうにあるという、忘却の彼方の地域、トーレンス。
この地に、かつては高度な文明を築き、この世界を支配していたという古代人の流れを汲む人々が、ひとつの町を作りひっそりと暮らしている。

皇帝は、彼らから話を聞くことで、この世界の過去の姿と、七英雄がもはや英雄でなくなった理由、
彼らと七英雄の確執の真相など、残された謎の大部分について知ることになる。

<私的解釈>

数千年前、この世界は現在とは全く異なる気候、地勢を有していた。
地上には、今は古代人と呼ばれる彼ら「忘れられた町」の民、現在各地で生活している人間たちの祖先、そして強力なモンスターたちが存在した。
古代人たちが、どうしてそれらを獲得できたのかは謎であるが、高度な技術と知識を有して、ひとつの文明を築き上げた。
そして、現代人の祖先たちは、古代人たちの奴隷として使役される立場にあった。

古代人と現代人はその容貌こそさほど異ならないものの、その特質上、ひとつの決定的な差異を有している。
古代人は、与えられた寿命において、現代人のそれをはるかに凌ぐのである。
殊(読:こと)に、その魂の寿命に関する限りは、限りなく不滅に近い存在であるらしい。
彼らの驚異的な技術力には、このことも関与しているのかもしれない。
また、現在に至るまで、この世界に宗教といえるものの存在が見当たらないのも、こうした古代人の魂の絶対性ゆえのことであろう。

魂は不滅であっても、その魂を宿すべき肉体の不滅は、いかに彼らでも為し得なかった。
そこで、彼らが肉体の有限性を克服し、その生を永続的なものとすべく生み出したのが「同化の法」であった。

やがては朽ちてゆく肉体を捨て去り、新しい肉体に魂を馴染ませる。
彼らにとって、肉体とはこの世界で生活するための媒介に他ならなかった。

外部的な力により肉体の機能を停止させられれば、いかな不滅の魂といえど、
拠るべき媒介を失い、虚空を彷徨うことを余儀なくされる。
肉体の消滅、これすなわち彼らにとって永久であるはずの魂の、時ならぬ消滅である。
ゆえに、彼ら古代人は、本来あり得べからざる「死」という現象を極度に恐れた。
そして、狂暴なモンスターたちは、その恐れを現実のものとするのに十分な存在であった。

彼らの力は、モンスターの脅威に正面から立ち向かえるほどのものではなかった。
戦うといっても、それは防戦を意味し、自らを守ることで精一杯であった。

そうした中、防戦のみでは禍根を断ち切ることはできないと考え、
積極的にモンスター軍団を撃滅すべきであると考える二人の人物が、古代人のうちに現れた。
一人は名をワグナス。もう一人をノエルという。

彼らは、モンスターと対等以上に戦える力を手に入れるため、これまで単に延命の儀式として行われてきた
「同化の法」の利用を考え、独自に研究を重ねていった。
そして、歳月を経て、新たな「同化の法」は完成した。

本来の肉体をコールドスリープ状態にしておき、新たに別の肉体を用意してそれに魂を宿らせる。
こうすることで、戦闘による肉体の機能停止の危機にも、一種の保険を掛けることができる。
本体を温存することで、普段の活動に用いる肉体を使い捨てにすることもできるのである。
もっとも、次から次へと肉体を乗り換えるには多大なエネルギーを消耗するため、
相当の時間をおかなくてはならないという欠点も持っているのであるが。

また、力を得るという目的のために改良された点として、
宿主たる肉体が一個のものであることを必要としなくなったことが挙げられる。
複数の肉体を次々に同化させることによって、それまでの数倍の力を得ることができるのである。

ワグナスとノエルは、この秘法を自らの身内であるスービエとロックブーケ、
古代人の社会で爪弾き者にされていたダンターグ、ボクオーン、クジンシーのそれぞれに伝え、
互いに命に代えても本体を守り通すことを血盟し、モンスター軍団に立ち向かったのである。
彼ら5人が選ばれた理由としては、
「このような無謀ともいえる命懸けの使命を引き受けるであろう人物が、
 血縁で結ばれた身内か、社会に不満を持ち野心旺盛なアウトサイダーぐらいしか考えられなかった」
というところであろう。

戦いの末、ワグナスたちは勝利を収めることができた。
死の恐怖から解放された古代人たちは、彼ら7人の同胞を「七英雄」と称えた。
再び古代人の世が続くはずであった・・・が。

おそらく、アウトサイダー組の3人の誰かあたりが言い出したのであろう。
「奴等は俺達の戦いを何もせずに見ていただけじゃないか!
 命を懸けて皆を守った俺達が奴等の上に立つべきだ!俺達にはその資格がある!」
この点につき、七英雄全員の意志の統一があったか否かは定かでない。
しかし、事実としてモンスターをも凌ぐ力を持つ身となった七英雄の存在は、
次第に古代人社会を脅かす性質のものへと変貌を遂げていった。

七英雄の力の恐怖に再び目覚めた他の古代人たちは、自らの社会を守るため、彼らを亡き者にしようと図る。
とはいっても、もはや力のうえで太刀打ちできる相手ではない。
そこで、一計を案じて彼らを追放することを決定した。

時は遡り、古代人たちは、やがてこの世界が異常気象と地質変動に見舞われることを、
その技術力をもって予知していた。
そしていずれ将来、自分たちがこの世界を捨て、どこか別の生存に適した環境を持つ地に移住すべきであることも・・・。
そのための準備は、長い年月をかけて着々と進められていた。

おおかた、移住の予定を早め、七英雄に先発隊になることを依頼するといった方法であろうと思われる。
かねてより移住のために開発されていた次元移動装置によって、七英雄は送り出された。
だが、しかし。
次元移動装置は未完成であったのだ。
彼らがどこに送られたのか、誰一人知る由もない。そう、彼ら自身以外。

その後、研究開発を重ねて、次元移動装置は完成し、古代人の多くは来たるべき天変地異を前に、別世界へ移住していった。
一方、七英雄追放の首謀者であったと思われるオアイーブを含む一部の人々は、この世界に残る道を選んだ。
オアイーブいわく、それが自分の責任であり、運命であるらしい。

天変地異はこの世界を覆い尽くし、かつての地上は地の底へ、
あるところは砂漠と化し、またあるところは密林となり、多くの建造物も廃墟と成り果てた。
古代文明は、このとき終焉を迎えたといえる。

真実を知る者たち
 オアイーブをはじめとする忘れられた町の民が教えてくれる話は、非常に重要な手がかりではあるが、彼女らの話だけでは、過去に起こったことのすべてを知ることはできない。
本編中で残りの謎を知るためには、当時を知る他の人物に話を聞く必要がある。

その人物とは、

・沈んだ塔の番人である水龍
 ・海の主の娘と同化したスービエ

である。

沈んだ塔は、その場所を知るためにエイルネップ神殿で見た映像によって、その役割らしきものが一部語られているが、
塔の秘密を探るロックブーケに先んじて水龍と対面することにより、この塔の秘密を聞くことができる。
また、それは七英雄の身に起こった出来事とも関連するものである。

※水龍との会話の内容については、部分的に上記「古代の民と七英雄」の文中に織り込んであります

スービエのほうは、追放された側の七英雄の一員であり、その彼の話を聞くことによって、
これまでのノエルとロックブーケの不可解な行動の理由が明かされることになる。

七英雄の真の狙い?
 上述したスービエの話から明らかになるのだが、七英雄は同胞であった古代人たちによってこの世界から追放された後、
異世界での数千年にわたる艱難辛苦を経て、漸くこの時代に帰還に成功したものであるらしい。
そして、追放した古代人の大半が既にこの世界を去っていることを知り、ノエルとロックブーケは彼らの後を追うために、
次元移動装置の名残である塔について嗅ぎ回っていたものと推測される。
七英雄が知っている当時の世界とは様相を異にしているため、捜索にも手間がかかっているというところではないだろうか。

しかし、スービエ自身、「探しているのさ、復讐のために!」などと気勢を上げている割には、
実際にしているのはロンギット海、氷海の実質的支配権確保とギャロンの悪事の後押しくらいのもので、
「海の中でも探してたのかい!」・・・と言いたくなってしまう。
ま、例の天変地異で海底に没した遺跡が存在しないともいえないので、彼の行動は結果として見当違いであっただけであろう。

一方、ボクオーンは麻薬作りに精を出し、クジンシーはアバロンを狙って帝国の返り討ちに遭い、
と、いずれも古代人の行方を追っているとは言い難い体たらくである。
ダンターグに至っては、
「ワグナスやらノエルやらは復讐を考えているようだが、そんなものオレには関係ない」と嘯く始末。
この3人に関する限り、血の誓いを破らざるを得ない状況にならなければ、団結心の欠片もみられない。
所詮は人数合わせに呼ばれただけの烏合の衆なのであろうか。

ここでワグナスの名が出たが、彼は何を目論んでヤウダを狙っているのであろうか。
この頁冒頭の文と矛盾するようではあるが、まさか七英雄リーダーをもって任ずる彼が、
ダンターグ以下3名と同様、復讐を忘れて私欲に走っているということはあるまい。
一般には、戦力確保のためともいわれるが・・・?

もうひとつ考えられるのは、彼が忘れられた町に住むオアイーブたちの存在に気づいていることである。
異世界に移住した古代人たちを追い求めるノエル兄妹とは対照的に、ワグナスは彼女らに対する復讐を考えていたのではあるまいか。
そのためにヤウダを根城とし、トーレンスへの障害となるチカパ山のイーリスたちを追い払う算段をしていたのかもしれない。

もうひとつ、本編中で説明を要すると思われる箇所がある。
ワグナスがヤウダ攻略を開始するのは、テレルテバを占拠していた
ノエルの部下と称するモンスターが敗退した後のことである。

七英雄のノエルが、かつては敵対していたモンスターを部下として使っていることにも疑問が残らないではないのだが、
ともかくノエルのテレルテバにおける目的は、塔の秘密を探る一点のみにある、という趣旨の本人の弁は
彼の第一の目的が逃げた古代人への復讐であることからも、間違いではなかろう。
そして、部下モンスターが排除されたことにより、何らかの理由でこの時代の人間への強硬手段を望まないノエルは、
テレルテバでの計画をひとまず中止せねばならなくなったものと考えられる。

しかし、ノエルの計画の中止と、ワグナスの行動開始にどのような因果関係が込められているものか、
二人の意図するところが上のように食い違いを見せているのであれば、納得行く説明は困難であるように思われる。

皆様はどのようにお考えであろうか。御意見をお聞かせ願いたい。
というわけで、(by 乱兄)
(4月1日の魔術師ことAPRIL FOOL様の見解はこちら
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(月下賢人様の見解は
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追記:
 ノエルは、すでにテレルテバでの調査の主要な目的を果たし終えていて、そのついでにモンスター軍団を養っていたところだったのだとすれば・・・?

ノエルのテレルテバ撤退を合図として、復讐計画の次の段階へと進むため、ワグナスのヤウダ攻略が始められたものであろうか。
勿論、ヤウダを異世界への兵站基地とする目的で・・・

追^2:
 後述の、移動湖イベントでノエルと話をつけてからメルー統一に至るケースにおけるノエルの発言に、
「モンスター達は私の手で処分します」というのがある(処分ってオイ)。
けっきょく、彼自身が言うようにあのモンスター達は単なる見張りで、真ん中の塔のボス(獣系)は同化の法の実験台にされていた、というところか。

移動湖の古代人
 移動湖の遺跡で対峙する七英雄ノエルとテレルテバのシャールカーン。
その奥に、見慣れぬ服装の人物が控えている。彼は何者で、なぜこんなところにいるのであろう?

これまでに判っている限り、彼はサクザーという名の古代人であり、ノエルの旧友であるらしい。
それ以上のことについては、残念ながら私は寡聞にして知らない。もしあなたが彼について何かご存知ならば、ぜひ教えてほしい。

<後日談>
 何と、彼の名はゲーム中でちゃんと語られていた(でなきゃ誰も知らないだろうが)。
正しくは「
サグザー」という名である。
移動湖イベントの起こしかたに鍵が隠されていたのである。

同化の法

かつてワグナスとノエルは、モンスターに立ち向かう力を得るために同化の法を研究していたという。
本来は彼ら古代人の延命法にすぎなかったこの技術が、同化した相手の力を取り込むという特質を持つものとなるに至って、彼らの願いは達せられることになる。

後の帝国との戦いにおいて、この「七英雄版同化の法」の能力を最もわかりやすく体現しているのは、スービエであろう。
彼は、潜在的に強大な力を持つ海の主の娘を自らに同化させ、その結果として七英雄一の耐久力を獲得しているのである。
だがしかし、これは悪し様に評するならば、他人の褌で相撲を取っているようなものである。
取り込みに失敗したときのスービエの貧弱さ(これでも何らかの頭足類系の生物と同化しているのだろう)から
考えれば、もともとの本人の力量など推して知るべしである。

以下、帝国との戦いの時点で、七英雄のそれぞれが力を奪ってきたであろう対象について考えてみる。

ワグナス:
蝶、またはそれに類似したモンスター。
小林氏イラストでも、彼と蝶が切っても切れない関係にあることは推察できる。
第二形態での血の涙、翼の骨格化と不可解な紋様などからは、何らかの呪術的、宗教的な力の強化が伺える。

ノエル:
一貫して外見上は人間と変わりないため、人間あるいは古代人のみとの同化を繰り返したのかもしれない。
あるいは、やや強引だが装備品を同化の法で強化する術を身につけたかも。
彼は他者に力を分け与える能力を持つ。

ロックブーケ:
彼女も人型を保っている。第一形態時の背後の悪霊などが同化対象であろうか。
未練を残して死んだ女性たちの叶わぬ思いを、誘惑の術の力に転化しているという見方もできなくはなかろう。

スービエ:
イカ様の生物(クラーケン?)と同化しているとみられる(メイルシュトロームはその魔物の能力によるのだろう)。
ご存知のとおり、さらに海の主の娘と同化することもある。
イカの足(腕だが)が下半身から頭部へと移動しているのも、同化の法の性質の一端であろうか。

ダンターグ:
巨大な四足獣とすでに同化しているようだ。
彼は疑いなくナゼールの魔物を取り込んでいるのだが、その度に重装備になっていくことから、
七英雄版同化の法では同化対象を意のままに変形させることも可能なのかもしれない
(だとしたらセンスがない奴もいるが)。

ボクオーン:
すでに植物質の生命体(非生命でも可とするならそれこそ人形か?)と同化した可能性がある。
自身は目に見えた変化をしない。しかし、操り人形も彼の実体の一部であると考えれば話は別だ。
第二形態戦で一体化して扱われていることを鑑みれば、この説は有力であろうと思うのだがどうか。

クジンシー:
外見からはパワーソースを特定しにくいが、死者を統率していることや邪法を得意とすることから、
死の世界に属する者と同化を繰り返したとみられる。
生きた人間からも精気を吸っていたようだが。そういえば彼も魔物に力を与えていた。

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